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龍神を祀るパワースポットを訪ねて

水の信仰や伝統行事をはじめ、水にまつわる歴史が脈々と受け継がれている宇陀市。なかでも水の神様である龍神の伝説は数多く残されています。今回は、パワースポットとして注目を集めている場所をご紹介します。

室生龍穴神社

古より、人々は龍神を祀り、雨乞いや雨止めを祈願してきました。その昔、龍神を呼んで雨を降らしたとされる空海が若い頃に修行をしたのも、ここ宇陀だといわれています。市内には、龍の名がつく神社やスポットが多数存在していることや祭事が行われていることからみても、宇陀と龍神の深い結びつきを感じます。

中でも、特に代表的なのが室生地区にある「室生龍穴神社」(むろうりゅうけつじんじゃ)です。室生寺よりも古いとされる古社を訪ねてみましょう。

静寂で、厳かな雰囲気の境内に、鳥居の両脇には杉の巨木。思わず、鳥居の前で立ちすくんでしまうほど、圧倒的な神秘を感じます。

まずは手水舎(てみずや)で身と心を清めましょう。ここでは小さな青龍が迎えてくれますよ。

境内には、杉の木が立ち並び、見上げると、木々の間からわずかに空が見えるだけ。龍が舞い下りてきても不思議ではありません。

杉の木に何かが宿っているようにも見えます。

次に、拝殿へ向かいましょう。

扁額には「善如龍王(ぜんにょりゅうおう)社」の表記があります。善如龍王とは、雨乞いの神様(龍王)で国内でも多くの神社で祀られています。

さて、後方へと回りましょう。瑞垣の向こう側に見えるのが、朱塗りの「本殿」(奈良県指定文化財)です。御祭神は、「高龗神(たかおかみのかみ)」。
水や雨を司る神様でもあり、新しいことを始めるときにお力添えをしてくれる神様としても知られていて、合格祈願に参拝される人も多いのだそう。

注目してほしいのが、ここの狛犬!よく見ると、サッカーボールのように毬を持っているんですよ!
もう一頭は、子連れの狛犬。神秘の空間にいた緊張感が少しほぐれていくようです。参拝が終わったら、ぜひご覧くださいね。

ちょっと足をのばして「龍鎮神社(りゅうちんじんじゃ)」

龍のつく神社として「龍鎮神社」があります。深谷龍鎮渓谷にある秘境で、近年はパワースポットとして注目を集めているスポットです。室生ダムの公園に車を停め、ダムに沿って歩くこと約10分。

「龍鎮橋」と書かれた朱塗りの欄干を渡り、さらに静かな山道を澄み切った川に沿いながら歩きます。

しばらく歩くと、眼下に小さな社と滝つぼが見えてきます。ここが、宇陀市最大級のパワースポットとされる「龍鎮神社」です。

拝殿から、川を渡った向かいに鎮座しているのが本殿。室生龍穴神社と同じく、高龗神が祀られています。吸い込まれるように美しいエメラルドグリーンの滝壺は、本当に龍が鎮まっているかのようなたたずまい。聖域とはこの神社のことを表しているかのように、別世界に誘われます。声を出すことさえも慎みたくなる神聖な場所。訪れる際は、静かな心で参拝しましょう。

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